Tool steel

高合金工具鋼の微細構造検査用試料作製

顧客固有のアプリケーションに合わせて、作製される高合金工具鋼は増え続けています。 そのため、品質管理チームが大量に高合金工具鋼の微細構造検査用試料作製と分析を行う必要性も高まっています。 高合金工具鋼の試料作製と分析における主な考慮事項は何ですか?

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高合金工具鋼の主な特徴

鋼は、その化学組成に基づいて大きく3つのカテゴリに分類することができます。
  • 炭素鋼
  • 合金元素が少ない低合金鋼
  • 合金元素を6%以上含む高合金鋼

工具鋼は、クロム、ニッケル、バナジウム、タングステン、モリブデンなどの合金元素を多く使用した高合金鋼です。 これらの合金元素は、鋼鉄の耐摩耗性、靭性、強度または硬度を高め、または耐食性や耐熱性、高温での硬度の保持、低温での強度保持などの特定の特性を与えます。

高合金工具鋼生産現場における微細構造の分析

高合金工具鋼の製造では、高品質な製品を確保するための金属組織解析が不可欠です。 高合金工具鋼の金属組織解析は、主に以下の用途に使用されます。
  • 工具鋼における炭化物の分布と大きさの判断
  • 硬化後焼き戻しした鋼の脱炭の検出
  • ミクロ偏析の検出と介在物の評価

工具鋼
図1: 5%ピクラールでエッチングしたプラスチック金型鋼、高倍率でいくつかの特異なニードルとプレートが見える、その他はアモルファスのマルテンサイト (倍率: 1000x, DIC)

高合金工具鋼の金属組織試料作製における困難の克服

熱による損傷の回避
高合金工具鋼の熱処理特性は品質基準であるため、切断時の熱影響を避けて実際の微細構造を確保する必要があります。 切断部が大きい場合は、この試料作製手順は細心の注意を払って行う必要があります。

工具鋼
図2: 間違った切断条件による熱損傷 

炭化物と含有物の保持
高合金工具鋼の研磨および琢磨で最も難しいことは、炭化物と非金属介在物を保持することです。 冷間加工用具鋼では、一次炭化物は非常に大きいため研磨中に簡単に破壊されます。 完全に焼き戻しされた条件では、二次炭化物は非常に細かいため、柔らかい母材から容易に引き抜かれてしまいます。

工具鋼
図3: 破壊された一次炭化物 (倍率: 200x) 


高合金工具鋼の大量加工
品質管理チームが高合金工具鋼生産内で大量のサンプルを処理するには、ワークフロー、自動機器、標準手順を特に効率的に構成することが必要です。

 

高合金工具鋼の切断と埋込みにおける推奨事項


切断

高合金工具鋼試料の大部分は、機械的方法によってスラブや分塊圧延材料を標準的なサイズに粗く切断したものです。 熱処理サンプルまたは故障分析のための重要な切断は、常に金属組織学用の切断機で行われます。

高合金工具鋼は、熱損傷に非常に敏感です。
  • 適切な切断ホイールの選択には、特別な注意が必要です。
  • 熱損傷に対処するため、冷却を十分行う必要があります。
  • 酸化アルミニウムの軟質切断ホイールまたはレジンボンドされた立方窒化ホウ素の切断ホイールをお勧めします。
埋込み

高合金工具鋼試料は、埋込みなし、または熱間または冷間埋込みされます。
  • 良好なエッジ保持を必要とする表面処理サンプルは、繊維強化樹脂 (デュロファスト) を使用して熱間埋込みします。
  • エッジ保持を必要としないサンプルで、寸法がサンプルホルダーに適している場合は、埋込みしないままにします。
  • サンプルサイズの標準化は、大容量を処理する際に有利です。 この場合、シリコン製の長方形埋込みカップ(フレキシフォーム) を使いください。 また、汚染を避けるために、収縮がほとんどない冷間埋込樹脂を使用することも重要です。
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